介護士ファースト

介護士の介護士による介護士のためのブログ「頑張っている介護士をホワイトな職場へ」

腰痛でもできる介護の仕事ってある?

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介護士と腰痛の問題・・・これは介護職の職業病とも言われ、切っても切り離せない重要な問題でもありますね。腰痛の痛みを感じながら介護を行うことは、介護者にとって大きなストレスになります。

実際中高年のベテラン介護士だけでなく、20代の若い介護士の人でも腰痛の悩みを抱えていたり、痛みのために離職するケースが多いです。

今回は、今実際に腰痛を抱えながら働いている介護士やもともと腰に不安があるけれど介護の現場で働いていきたいと考えている人に向けて、介護士の仕事と腰痛の問題について考えていきたいと思います。

介護士は、何故腰痛になりやすいの?

介護の現場(特に施設)では、介護士の腰に負担のかかる動作が、日々の介護業務の中で数多くあります。

移乗介助、体位交換、入浴介助、排泄介助、おむつ交換、更衣介助などの際、腰への負担はどうしても大きくなり、腰痛を引き起こしやすくなるのです。

もちろん職場の問題もあります。日常的に人手不足の介護現場で、日々肉体労働が続き、腰痛の痛みを感じながらも介護を続けていることが多い現状を抱えています。

また正しい介護技術を身に着けないまま介助を行っている、介護士の体格などの問題なども、腰への負担へとつながっていくこともあります。

どちらにしても介護士にとって腰痛は、大きなストレスになります。

腰痛があってもできる介護士の仕事

現在多くの介護士が、腰痛を持ちながら仕事をしています。その中で、少しでも腰に負担のかからない介護士の仕事はないのだろうかと、みな考えることは同じだと思います。

ではいったいどんな職場であれば、 腰痛の負担が少なく働けるのでしょうか?

まず一番考えられるのが、介護の現場の中でも比較的身体介助が少ない職場を探すということになります。一般的に特養などの施設は、重度で身体介助が多いため、腰への負担は大きいと言われています。

しかし最近では地域や施設によっては、特養や老健などの施設でも、介護ロボットや福祉機器の活用を始めているところもあるようですので、まずは自分の働く地域の情報収集が必要かもしれません。

比較的身体介助が少ないと言われているのが、短時間のリハビリデイ、介護予防の利用者が多いデイサービスです。また認知症の方が入所するグループホーム、軽度の利用者さんが入所するサービス付き高齢者住宅、自立した入所者を対象とするケアハウスなどもあります。

訪問介護の仕事も、援助内容によっては介助が少ない利用者さんもいるため、職場側と相談してみるのもよいかもしれませんね。

思わぬ事故につながることもある

これは、実際の現場で働く介護士の体験談です。

専門学校卒業後特養の介護士として働く20代女性のAさん。身体は小柄ですが体力には自信があり、常に笑顔で元気に働いていました。もともと腰痛なにも縁がなく、介護に関しても特に不安なく行っていたようです。

しかしある日の起床時、ベットから車いすへの移乗介助を行う際に、立ち上がりが不安定な大柄の男性利用者さんが、膝崩れでそのまま床に座り込んでしまったとのこと。

あわてて立ち上がらせようとした瞬間に「ギクッ」と腰に強い痛みが走り、そのまま利用者さんとともに倒れこんでしまったのです。

その後他の職員に応援を頼み、何とか利用者さんには怪我はなかったとのことでしたが、Aさんはぎっくり腰で1週間自宅療養を余儀なくされたそうです。

この体験談のように、日頃特に腰痛等の不安もなく働いている人でも、とっさの対応をしたことで、急に腰を痛めてしまうリスクはあるのです。

介護士が介護をする利用者さんも、常に自分より小柄な体格の人ばかりとは限りません。もちろん日頃から、しっかりとした介護技術を身につけていたAさん。

しかしどんなに自分の体力に自信があっても、いつ起こるかわからない利用者さんのとっさの行動などを考えると、改めて色々考えさせられることが多かったと言います。

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まとめ

高齢社会が進む中で、介護される人の数も年々増えていくことから、介護士の負担を軽減するための福祉機器などの商品化は、今後高まっていくと考えられます。

もちろん近い将来、介護ロボットや福祉機器などの導入により、介護施設などでの介護士の負担も軽減されていくことも期待されてはいますが、現状では介護の仕事をする以上腰痛を患うリスクはあります。

腰痛があっても、働くことはできます。しかし厳しいようですが、もともと腰痛の持病がある人や腰に不安を抱えているのであれば、介護の仕事を長く続けていくことはあまりお勧めできません。

無理をしながら働き続け、結果として腰を痛めて離職した人もたくさん見てきました。もし今介護士として腰に爆弾を抱えて働いているのであれば、同じ介護業界の中でも、腰に負担のかからない職場あるいは違う職種に変わることも検討していくことも必要です。

実務経験を積みながら資格を取得するなどして、先々生活相談員や介護事務、ケアマネージャーなどの職種につけるのであれば、その方がいいと思います。