介護業界でホワイトな求人を探すポイント3選
介護業界の中では「ブラック企業」とか「ブラックな求人」という言葉がよく聞かれます。
確かに世間一般に「介護業界=ブラック」のようなイメージを感じている人も多いようです。
以前、福祉の専門学校を卒業し、特養施設に就職が決まったある男性の母親から「本当は、こんなブラックな職業に息子をつかせたくなかった・・・」という話を聞きました。
あまりにもブラックなイメージが強いため、人手不足に拍車がかかる介護業界ですが、その一方でホワイトな施設や事業所もちゃんとあるのです。
今回は、少しでもより良い職場(いわゆるホワイトな求人)を探す条件をまとめてみました。
介護業界がブラックだと言われる理由
前述のように、介護業界のすべての施設や事業所がブラックだと言うわけではありません。
しかし介護業界といえばどうしても「給料が安い」「過酷な労働環境」「サービス残業」「人間関係が悪い」「有休もとれない」「離職する人が多い」などの悪いイメージばかりが浮かびます。
現実に、上記の理由で離職する⇒人手不足の職場ではさらに過酷な労働を強いられる⇒結果としてまた離職者が出る・・・というような介護業界ならではの悪循環にもなっているのです。
介護保険制度の開始以降、介護施設や介護事業所の収入は介護報酬によって決められているため、どんなに労働に見合う給料を払いたくても経営的にそれが難しい現実があります。
介護業界がブラックと呼ばれている理由も、こうした問題が起因になっているのかもしれません。
介護業界でホワイトな求人を探すポイント
ブラックのイメージが先行する介護業界ですが、介護の現場も全ての職場がブラックという訳ではありません。
介護士の働きやすさを追求し、職場環境を良くする努力を続けているホワイトと呼ばれる施設や事業所もたくさんあります。
ブラックな職場がたくさんある中で、どのようにしてホワイトな職場を探せばよいのでしょう。「よく話題になる大手企業だから・・・」「なんとなく良さそうだから・・・」などのイメージだけで判断するのはリスクが大きいです。
一般的にホワイトな求人を考える時には、ブラックな求人の裏返しだと考えればわかりやすいと思います。
・安定した給料が支払われている
・離職する人が少ない
・残業が少ない(残業代がきちんと支払われる)
・福利厚生面が充実している 。
求人を探す場合には、まずは自分が働く職場に求める条件や希望を明確にし、さらに優先順位をつけた上で求職活動をする必要があります。
具体的にホワイトな求人を探すポイントや注意点を、大きく3つに分けてあげてみました。
求人情報から、基本的な項目をしっかりチェックする
これはあくまでも、求人に基本情報が細かく書かれていることが前提になります。チェックする点としては
・長期に渡り頻繁に出ている求人
⇒採用してもなかなか定着しなかったり、職員がどんどん辞めていくため、いつも人が足りていない状態ということも考えられます。
・「無資格・未経験でもやる気があれば可」と記載がある求人
⇒基本資格がある事が望ましいのだけれど、人手が足りていないため、無資格者が多く働いている可能性もあります。
・勤務時間や夜勤の有無等を確認。夜勤の回数が多い求人は要注意
⇒平均的な夜勤回数以上の夜勤を強いられることもあります。
・求人内容の情報があまりに少ない求人
⇒ブラック企業は、ブラックであるような情報をあえて記載はしないはずです。
口コミ等を参考にする
・その職場で働いている人の話を聞く
⇒実際にその職場で働いている人の声が一番リアルなため、職場の細かい内情を知るためには役立ちます。
・口コミなどを参考にする。
⇒最近は、ネットなどでも口コミ情報を簡単に読むことができます。求人が出ている職場の口コミや情報が記載されていますが、そのすべてが正しいとは限りません。評価や口コミは、主観的なものが多いので、あくまでも参考にとどめておきましょう。
介護職専門の紹介サイトを上手に活用する
人手不足の続く介護業界では、年間通して非常に多くの介護の求人が出ています。その中から自分が選んだ求人が、ブラック求人なのかホワイト求人なのかを見極めることにはリスクもあり、時間を要するため、ある意味厳しいかもしれません。
一人でホワイトな職場を探すことに不安があるのなら、数多くの求人情報を持つ紹介サイトを活用するのもひとつの方法です。自分の条件に合った求人を紹介してもらうだけでなく、気になることや聞きづらいことがあれば、紹介サイトの担当者に聞いてもらうこともできます。
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まとめ
人手不足の介護業界には、常に求人数も多くあり引く手あまたの状態とも言われています。
その中で、少しでも自分の条件にあうホワイトな求人を見つけたいと思うのはみな同じです。
実際条件が良い求人には応募が集中するため、こまめに求人情報を確認しながら、少しでも長く働き続ける事ができる職場を探す必要があります。
応募する職場がホワイトであるかどうかももちろんですが、自分のやりたい仕事ができるかどうか、待遇などの条件面で自分の希望に合っているかどうかも重要です。
介護士の皆さんが、自分の条件に合った職場、自分が働きやすい職場=ホワイトな職場を見つけられることを願っています。
介護士がうるさい上司とうまく付き合う方法
どの業界でも、仕事の中での悩みやトラブルなどが起きた時に、本来頼りになるのが上司の存在。
いつも何かあればみんな上司に相談している・・・
うちの上司は素晴らしくて頼りになる人・・・
しかし残念ながらそんな職場ばかりではありません。
介護業界でも、多かれ少なかれ上司に対して不満があったり、うるさい上司だと苦手意識を抱いている介護士もいるのではないでしょうか。
今回は、うるさい上司に対し、介護士の皆さんが少しでもストレスをためずに付き合う方法や働き方を考えてみたいと思います。
介護士は、上司のどんなところにうるさいと感じているのか
介護士の皆さんに、自分の職場のうるさい上司について話を聞いてみました。いったいどんな上司のことをうるさいと感じているのでしょうか? 次の項目が2つ以上引っかかるのであれば「THEうるさい上司」として認定しましょう。
- 人の陰口や悪口を平気で言う
- その日の気分や感情で言う事や指示が変わる
- 自分の失敗を部下のせいにして話をする
- 理不尽なことで怒る
- 細かな指示を出しやたらと焦らせる
- 自分のイライラをことらにぶつけてくる(ストレスのはけ口として怒っている感じ)
- 人により態度がコロコロ変わる ・独り言ばかり言っている
- 細かいことにまで口を挟む
- 平気で傷つけるような嫌味を言う
- 気まぐれで意見・指示がコロコロ変わる
- とにかく短気で怒りっぽい(ヒステリーじゃないかと思うほど)
- やたらと声が大きい ・過去のことまで持ち出して、ネチネチ言う
- 何度も何度も同じことを繰り返す
- プライベートにまで口を挟む
- 仕事で忙しいのに、どうでもいいことをやたら話し掛けてくる
あなたの上司はいくつ引っかかりましたか?
当てはまらない⇒まあ通常の範囲の上司でしょう
1つ⇒むかつくこともありますが我慢できる範囲でしょう
2つ以上⇒今すぐ転職をした方が良いです
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うるさい上司と上手く付き合っていく方法はあるの?
どこの業界でもあまりにうるさい上司と仕事をしていると、だんだんストレスも大きくなってきますよね。
特に介護の現場では、上司との関係の良し悪しが、その職場内の雰囲気やチームの連携、さらには利用者さんに対するサービスの質にも大きく影響すると言われています。もしうるさい上司へのイライラやストレスがたまってしまった場合に、どのようにして乗り切ったらよいのでしょうか。
◎何故上司がうるさいのか、その原因を探る
⇒うるさい上司だとはいえ、口うるさく言ったり怒ったりするのには、何らかの原因があるかもしれません。もちろんただ単に、上司個人に問題がある場合もあるでしょう。しかしうるさいと感じている介護士側にも、仕事のやり方や勤務態度等、何かしらの原因がある可能性もあります。その原因が何であるのかを早めに見極めることで、解決策が見つかる場合もあります。もちろん明らかに介護士側に原因があるとわかれば、改善していく努力も必要です。
◎一定の距離をおいてみる
⇒「人はそう簡単には変われない」とよく言います。うるさい上司を変えることができないのであれば、まずは自分を変えてみることです。嫌だなあと感じながらも、上司に無理に合わせようとすればするほど、必要以上にストレスがたまってしまいます。そのために、一定の距離をおいてみるというのも一つの方法かもしれません。意識的に距離をおいてみることで、同じ職場にいても、今までのように気にならなくなったという人もいます。それでも、常にうるさい上司がそばにいるだけでストレスがたまってしまうと言う人もいることでしょう。そんな場合には、少しでも早く職場を出て、うるさい上司から離れてしまうのがベストです。もちろん仕事以外の場では関わらないというスタンスも大事です。
◎どうしても我慢ができない時には・・・
⇒色々な方法を試してみても、どうしても我慢できないこともあると思います。そんな時には、ひとりで抱え込まずに悩みを相談できる相手を探しましょう。実際相談をした結果、異動希望が認められ、解決できたという話も聞いています。しかし、中には誰にも相談できない、異動もできない環境の中で会社を辞めたいと悩んでいる人も少なくないようです。そこまで追い詰められている場合には、我慢し続ける必要はありません。うるさい上司がいない職場に行く=転職という選択肢もあります。
まとめ
うるさい上司との付き合い方について考えてみましたが、いかがでしたか? 実際に介護の現場では、頼りになるはずの上司の存在が、トラブルの原因になっていたり、忙しい業務以上にストレスになっていることもあります。
もちろんこのような上司だと割り切って、一定の距離をおきながら、何とかうまく付き合っていく方法もあるかもしれません。
しかしどんなにうるさい上司がいたとしても、自分の仕事は担当する利用者さんに適切なケアを提供していくことだと、切り離して考えていくように心がげたいものです。
またどうしても耐えられなくなってしまった場合には、無理をせずに退職や転職等の選択肢も含めた解決策を早めに検討していくことも大切です。
あなたに合う上司がいる職場もきっとあるはずです。
男性介護士が介護の仕事に初めて就くならデイサービスが良い?
高齢社会の日本では、介護を必要とする高齢者の増加に伴い介護士の需要も年々高まっています。
ひと昔前までは、介護士と言えば女性の働く仕事というイメージがあった介護の現場でも、人手不足の現状もある中で、年々男性の介護士が増えてきています。
その背景として、介護の専門学校が増えたことや国家資格を取得できることで、男性も介護士を目指しやすくなったことがあげられます。
実際介護の現場の中では、多くの男性介護士が活躍しています。しかしいざ初めて介護士として働く男性にとっては「男性でも大丈夫なのか?」「女性の多い職場でやっていけるのか?」などの不安を抱えている人も少なくありません。
先日介護の資格をとったばかりの男性から「最初に働くのはデイサービスがいいかもね・・とよく言われるけど、実際どうなんだろうか・・・」と話してくれました。
今回はその話を受けて、男性介護士が最初に働く先として何故デイサービスが良いと言われるのか、その理由について考えてみました。
女性が多い介護業界の中で貴重な存在の男性介護士は
女性が多い介護の現場では、どこの職場でも男性介護士はとても貴重な存在になっています。
男性介護士がほとんどいなかった頃の介護現場では、女性介護士が全ての業務を担っていました。
もちろん介護士の業務内容の多くは重労働で、肉体的にも本当にきつい仕事です。どんなに女性介護士に介護の技術があったとしても、体力面では厳しく、身体を崩して辞めてしまう人も少なくありません。
そんな介護の現場に、男性介護士が働き始めるようになって以降、少しずつ変化が見られるようになりました。
特養施設やデイサービスなどでは、利用者さんの入浴介助や排泄介助等の介護業務があります。
基本的に女性の利用者さんは女性介護士に、男性利用者さんは男性介護士に介護される「同性介助」が理想ですが、女性ばかりの職場ではそれも不可能でした。
しかし男性介護士が増えたことで、同性介助も可能となり、男性の利用者さんや重介護の利用者さんが安心して介助を受けることができるようになったのです。
また日頃から介護拒否のある女性利用者さんが、男性介護士が関わることにより、スムーズに介助を受け入れるようになったという話がある一方で、男性に世話をされるのは絶対に嫌だと拒否する女性利用者さんもいます。
もちろんこれは施設のサービスに限ったことではありません。在宅の利用者さん宅を訪問し援助を行う男性ヘルパーにもよくあることで、入浴や排泄などの身体介助だけでなく、掃除や食事の準備などの援助を男性に任せるのも抵抗があると言う利用者さんもいるとのこと。
利用者さんによっては、自宅に男性が訪問することだけでも嫌というケースもあります。男性介護士の特長が活かせる仕事として期待されている一方で、男性介護士が直面している課題も、まだまだあるようです。
デイサービスで働く男性介護士の本音や現状
デイサービスも、まだまだ女性の介護士が多い職場ですが、その中で男性介護士も頑張っているようです。
実際にデイサービスの現場で働く男性介護士の声(本音)を聞いてみました。
- 女性の多い職場なので、送迎やその他の力仕事は男性スタッフが主に行っている
- 女性の利用者さんが多いので、なかなか排泄や入浴の介助に入れないことが多い
- デイには夜勤がなく、夜勤手当て等がないので生活するには厳しいかも・・・
- 待遇面での不安を常に抱えている。結婚したら続けられるかどうか不安もある
- 女性が多いので、職場内では日常的に人間関係のトラブルが起きている(笑)
- 比較的元気な利用者さんが多いので、いろいろな話が聞けておもしろい
- 自分はガタイがいいので、介助されるのも安心だと男性利用者さんから言われることが多く、やりがいを感じる
- レクが苦手なので、正直なところそれが一番つらいかも・・・
- 職場では自分ひとりが男性なので、元気な女性達の中で肩身が狭い思いをしている
- 孤立しやすい男性利用者さんの話し相手になったり、碁や将棋の相手をしたり男性だからこそできることもある
- 男性スタッフがいることで、男性の利用者さんが話しやすい雰囲気ができていると思う
- このように男性介護士にとっては働きやすいと言われているデイサービスでも、給料が少ないなどの様々な悩みもあり、決して満足できる職場とは言えない現状もあるようです。
しかしデイサービス側からすると、数は少なくても男性職員の存在は貴重だと言われています。それはただ体力があり、重介護や力仕事ができるからというだけではなく、男性と女性の持っているその感性や価値観にも違いがあるからだとも言われています。
女性が多く働く複雑な人間関係の中でも、男性介護士は平等な立場で間で対応し、上手くフォローができるということで、職場内の雰囲気も和むのだそうです。また男性介護士がいることで安心した介護が受けられる利用者さんにとっても、男性介護士の存在は大きいのです。
まとめ
男性介護士が初めて選ぶ職場として、どこが良いのか、施設なのか在宅なのか・・・など色々な意見があると思います。
冒頭で「デイサービスがいいよ」とアドバイスした人も、デイサービスには夜勤業務もなく、それでいて必要な介助技術やレクやコミュニケーションなどのスキルが身につけられるからという理由だとのこと。
もちろん実際に働く職場によって収入等にも大きな違いがあり、男性介護士にとって夜勤のないデイサービスでは、経済的に厳しいと言う意見もあります。
どの職場を選んでも、基本的な業務内容は男性、女性ともに大きな違いはありませんが、どこで働いたとしても、経験を積みながら、将来的には介護福祉士資格を取得を目指すことで、収入アップやキャリアアップも可能です。
まずは自分が働いてみたいと思えるような職場を選ぶこと、そしてその職場で男性ならではの能力を発揮し活躍をしていくことができたらいいですね。
介護士が愚痴を言う相手は誰が多い?
介護士はストレスの多い仕事とよく言われます。実際「自分の職場なんか、口を開けば愚痴や陰口ばかり・・・」と話す人もいます。日頃からストレスや不満をためこまないようにするのが一番ですが、なかなかそうもいかないですよね。
介護士は、そんなたまったストレスや不満を、愚痴を言うことで解消しているのかもしれません。
今回は、介護士の皆さんの多くが抱えている「愚痴」について考えてみたいと思います。
介護士はなぜ愚痴が多いの?
介護士のストレスの原因の多くは、その労働環境や人間関係の悪さにあると言われています。
わかりやすく言うと「ストレスがたまりやすい職場」であるということです。介護業界は慢性的な人手不足の職場が多く、常にあわただしく業務に追われる日々。
また不規則な勤務やサービス残業など、重労働にもかかわらず給料も低い現状が続いています。
こうした状況の中で働く介護士は、どうしてもストレスをため込みやすいようです。
愚痴をこぼすことも大切
よく愚痴をこぼすのは良くないことだと、ひとりで仕事の悩みや不満を抱え込んでしまう人がいます。
またそういう人に限って、自分の愚痴は言わないけれど、他の介護士の不満や愚痴を、しっかり聞いてあげているという人も少なくありません。
しかし、正直なところ、人の愚痴を聞き続けることは非常に疲れますよね。
あまりに聞き役に徹してしまうあまり、自分自身が逆にストレスでしんどくなってしまうこともあります。時には誰かに自分自身の愚痴を聞いてもらい、スッキリするのもいいかもしれません。
そのためにもまずは、ひとりで抱え込まない、頑張り過ぎないことが大事なことでしょう。
介護士は誰に愚痴をこぼすことが多い?
多くの介護士の皆さんが、自分の愚痴を誰かに聞いてもらいたいと思っています。実際に、多くの人が愚痴をこぼす相手として、同じ職場の同僚を選んでいるようです。
しかし注意したいのは、職場内で愚痴をこぼす場合にその相手の選び方です。同じ職場の中でこぼした愚痴が、知らず知らずに周囲にまで広がり、逆に良くない噂になってしまうこともあるからです。
日頃から、あまり人間関係の良くない職場であればなおさらのことでしょう。そのような場合には、逆に同じ職場ではない身内や友人に聞いてもらうのも良いかもしれません。
相手を選びながら、上手に愚痴を吐き出し、ストレスを解消することも大事なことです。
まとめ
もし今自分の中で、何かイライラしたりモヤモヤすることがあるのならば、一人で抱え込まず、思い切って外に吐き出してみましょう。
職場の仲間に愚痴をこぼすことが難しい環境なのであれば、あなたのことを理解してくれる家族や仲の良い友人などに愚痴をこぼすのも良いでしょう。
少しでも長く介護士として働いていくためにも、日頃から仕事のストレスや不満を一人でため込むことのないようにしたいものですね。
介護士はうつ病になっても続けられるの?
近年過酷な仕事量や対人関係など様々な原因により、うつ病などの精神疾患を発症し労災を申請する介護士が増えています。
確かに慢性的な人手不足が続く介護業界では、職場環境の悪化により、多くの介護士が常にストレスにさらされていると言っても過言ではありません。
実際に、職場の同僚がうつ病で退職してしまったなどの話を聞いたことがあります。今回は、もし介護士がうつ病になっても、仕事を続けられるのかどうかを一緒に考えてみたいと思います。
うつ病の症状は?
うつ病は精神疾患の一つです。一般的には、眠れないとか、食欲不振、気分が落ち込むなどの様々な症状が続きます。
1週間程度で状態が回復する場合もありますが、これらの症状が2週間以上続き、うつ病と診断されて、薬物療法や長期休養が必要となるケースもあります。
うつ病は、精神的なストレスや身体的なストレスが要因となることが多いため、まずは無理をせず早めに専門機関に相談することが大切です。
そして診断を受け、自分の症状に合わせた治療を早期に始めることで、回復も早いと言われています。そして何よりも頑張らずに、ゆっくり休養をとることも必要です。
介護士は何故うつ病になりやすいのか
介護士という仕事は、うつ病になりやすい職業と言われています。介護業界の慢性的な人手不足に加え、不規則な勤務形態や職場での人間関係、利用者さんやその家族とのトラブルなどが要因になることが多いようです。
こうした様々なストレスや悩みを抱えながらも、緊張感や責任感で頑張り続け、結果として精神をすり減らしてしまうのです。
こうした仕事が原因のうつ病で、労災が認定されているケースも年々増えている現状です。
介護士がうつ病になったら仕事は続けられないの?
うつ病になったのは、自分が働いていた職場の環境や人間関係などが原因である場合が多いと言われています。
そのような環境の職場で、もしうつ病の治療のために休職をしたとしても、その後また復職した時に、その職場の環境や人間関係などが改善されているかどうかはわかりません。職場の環境や人間関係はそう簡単に変わるものではないと考えていた方が良いかもしれませんね。
むしろ人手不足の中で、休職中の介護士のフォローをしていた職員達が、また違う意味でのストレスを抱えている可能性もあります。
もちろんうつ病を発症した時点で、休職をするという選択もありますが、思い切っていったん退職し、その間に一度ゆっくりと自分の生活を見直してみるのも良いかもしれませんね。
うつ病発症から仕事復帰となるまで
これは特養で働いていたAさんが、うつ病を乗り越え、その後デイサービスに復職をした時の体験談です。
私はうつ病を発症するまで、ある法人の特養で介護士として働いていました。当時新設の施設であったこと、自分も含め新人介護士が多かったこともあり、開設当初の慌ただしさは尋常ではなく、現場では日々様々な問題が発生し、毎日のように残業が続きました。
介護業務の合い間も、みな書類作成や記録に追われるため、自然と職員間の会話やコミュニケーションも減り、私自身もいつのまにか泣きながら出勤するようになっていました。
それでもこの忙しさは、そのうち落ち着くだろうと必死に頑張っていたのですが、だんだんと夜勤以外の日も眠れなくなり、仕事にも全く集中することができなくなっていきました。
そんな私の様子を見ていた家族の勧めで、診療内科を受診した私は、そこで「うつ病」と診断され、そのまま休職することになったのです。その後治療と静養のおかげもあり、約1年半かかりましたが、状態も落ち着き今は同じ法人のデイサービスで働いています。
この先、またうつ病が再発するのではないかという不安もありますが、今は自分のできる事を無理ない程度にやって行こうと考えています。
まとめ
介護士の方がうつ病で退職し、その後転職することも、決して珍しいケースではありません。
人手不足の介護業界では、一度辞めてしまっても、しっかりと治療し、また自分が介護士として働きたいと思えば、また仕事は見つかります。
うつ病を発症した元の職場に復職する方法もありますが、違う職場に転職することで環境を変え、新たな気持ちでスタートをするのも良い方法かもしれません。
病院で働く介護士ってどう?
介護士と言えば、多くの皆さんは介護関係の施設で働くイメージを持つのではないでしょうか。
しかし介護士の求人を探してみると、多くの病院で、看護助手や看護補助という形で介護士の募集をしています。
身近なようでなかなか介護士が働いているイメージがない病院。実際、病院で働く介護士の仕事内容は、他の介護士と何か違いがあるのでしょうか。今回は、病院で働く介護士についてまとめてみました。
病院で働く介護士の仕事内容は?
病院で働く介護士は、一般的に看護助手や看護補助などと呼ばれていることが多いようです。
一般病院だけでなく、高齢者向けの療養型病院や病棟も多くなり、介護業界同様、病院でも介護士の需要が高まっています。
病院で働く介護士の仕事は、働く病院や病棟などによってもその内容は違ってくるとは思いますが、一般的には入院患者さんの身の回りの支援や看護師の補助業務が主な仕事です。
介護施設とは違い、病院には子どもから高齢者まで、幅広い年齢層の患者さんがいること、また様々な病状の方が入院していることもあり、一人ひとりの状態に合わせた支援や配慮が必要です。
食事、排泄、入浴、移動などの介助業務だけではなく、ベットメーキングや入院患者さんを受け入れるための準備、食事の配膳、清掃や洗濯業務などの仕事も担います。
また病院によっては、看護師の補助業務としてカルテ整理や医療器具の管理など、介護施設ではない業務などを担当することもあります。
病院で働く現場の声
実際に病院で働いている介護士の話を紹介します。 私は、今の病院に転職する前は、特養の介護士として働いていました。
高齢の利用者さんだけが入所する特養とは違い、今の病院には子どもから高齢者まで幅広い患者さんが入院しています。
何より病院は、医療が主体の職場であることや一人ひとりの患者さんの状態(病状)等も様々なため、その点では同じ介助の仕事ではあっても大きな違いがあります。
また業務内容に関しても、看護助手と名前がつくように、看護師の補助的な業務も多いです。病院で働く介護士の中には、 医療職が多い職場の中で人間関係に悩む人も少なくありません。
私自身は、人間関係の悩みはどこで働いても多かれ少なかれあることだと、割り切るようにしていますが・・・自分が今の病院で働く最大のメリットは、医療法人なので経営が安定していること、それにより給料も安定していたり、福利厚生などが充実していることだと思っています。
まとめ
病院で働く介護士の仕事は、一般の介護施設等で行う介助業務のほかにも、看護師のサポートを中心とした幅広い業務があります。
病院内には様々な不安を抱えた患者さんや、重い病気の治療を受けている患者さんやその家族がいます。
こうした患者さんの介助や身の回りの支援はもちろん、介護士だからこそできる、患者さんやその家族に対する何気ない気づかいや配慮などの役割も担っていると言ってもよいでしょう。
デイケア(通所リハビリ)で働くってどう?
在宅で生活している利用者さんにとって、介護保険サービスの中で、デイサービスと同様人気のあるのがデイケアサービスです。
しかし利用している人だけでなく、介護士の皆さんの中にも、デイサービスとデイケアの違いがよく理解できていないという人もいるようです。
今回は、デイサービスだけでなくデイケアの仕事も検討してみたいという人のために、デイケアについてまとめてみました。
デイケアってどんなサービスなの?
デイケアとは、一般的に「通所リハビリテーション」と呼ばれる介護保険のサービスです。
在宅で生活している利用者さんが通う日帰りのサービスで、一人ひとりの身体機能の維持や生活機能の向上のためのリハビリを目的としていて、理学療法士などのリハビリ専門職によるリハビリが受けられます。
最近では、リハビリ特化型のデイサービスなども増えてきてはいますが、デイサービスとの大きな違いは、利用に際し主治医の指示が必要なこと、また理学療法士の配置が義務付けられていて、リハビリ計画書に基づきリハビリが行われることです。
デイケアで働く介護士の仕事内容は?
デイケアは、主治医の指示のもと、介護士だけでなく、看護師、理学療法士、作業療法士といった医療資格を持ったスタッフと連携し、リハビリを目的に通所される利用者さんのケアを行います。
もちろんリハビリを目的のサービスですが、利用者さんにやその家族によっては、デイサービス同様に、介護者の負担の軽減なども目的のひとつでもあります。
そのため、ここでの介護士の仕事内容も、送迎、食事の準備、入浴、排泄、リハビリの介助等、デイサービスのと大きな違いはありません。
もちろん身体機能向上につながるようなレク活動や体操、その他の活動等もその中で行います。
デイケア働く現場の声
デイケアで働く介護士が、デイケアで働きたいと思う人のために、次のような話をしてくれました。
デイケアは利用者さんの滞在時間が決まっている日帰りのサービスなので、そこで働く介護士も日勤の時間帯で働くことが可能です。また施設などに比べると、重度の利用者さんも少ないことから、働きやすさではデイサービス同様に、人気の職場のひとつでもあります。
しかし施設の介護士に比べ、夜勤がない分給料も低いと言われています。その他にも、介護士の仕事の中には、送迎業務がある職場も多くあるため、もし車の運転が苦手な人は事前に必ず確認しておきましょう。
一般的にデイケアの職場は、介護スタッフ以外に、医療系のスタッフが多く働いているため、人間関係等で悩むという声も聞かれる一方で、専門職が行うリハビリを目の前で見られる環境にあることで、リハビリの知識や、日頃の介護にも応用できるスキルを学べる環境でもあるという声もあります。
どちらにしても、メリットとデメリットが両方が隣合わせの状態ではありますが、利用者さんがリハビリを継続していくことにより、少しずつ状況が改善され、元気になっていく姿をみられることは、やりがいにもに繋がります。
まとめ
デイケアで提供するリハビリやケアを通して、今まで在宅困難とまで言われていた利用者さんの在宅生活の継続が可能になることもあります。
その中で介護士として働いていく以上は、スタッフの一員としてリハビリに関する知識も求められていくことでしょう。そういう意味から言えば、他の介護サービスとはまた少し違う視点で利用者さんの支援をすることができるのではないでしょうか。